古民家が現代住宅より長持ちする4つの秘訣とは?

古民家暮らし


現在では、築50年ほどの住宅を古民家と言っていますが、厳密に言うと、古民家の定義は、【築100年以上の伝統構法で建造された木造住宅】と言われています。



古民家は、なぜ長持ちするのでしょうか?このことについて、よく質問されますので、ご紹介したいと思います。古民家に将来住みたい方や古民家に興味ある方の参考になりましたら、幸いです。



こんにちは!古民家暮らしナビゲーターのイサタケです。当ブログにお越し頂き、ありがとうございます!はじめてお越しの方は、はじめての方へをお読み下さい。



古民家についての素朴な疑問など、専門的な知識がない人でも分かりやすい解説を心掛けています。今後ともよろしくお願いします。

古民家が長持ちする秘訣:適材適所だから



古民家でいうところの適材適所とは、用途や使用箇所に応じて、木材の種類を変えていることを言います。使われる材は、主にケヤキ・ヒノキ・マツ・クリ サクラなどで、家を支える構造部分である梁や柱には、強度の高い材が使われています。



現代住宅に使用されている建築材料の多くが経年劣化していくのに対して、古民家で使用されている木材は、年を重ねるごとに強度が増すものとされています。



そのため、適切なメンテナンスをすれば、300年以上の建物寿命を保つことが可能だと言われています。



日本で一番古い木造建築物といえば、聖徳太子が607年に創建した法隆寺が有名です。法隆寺は、日本で初めてユネスコの世界遺産に登録され、飛鳥時代の建築様式を今に伝える国の重要文化財です。



法隆寺で使用されている木材の伐採時期が、飛鳥時代の650年から690年代のものが多く、一番古い木材は、594年に伐採されたものだそうです。なんと、1400年も前の材がいまだに健在ということに驚きを隠せません。



風土に合った地元の材や・適材適所の材を用いることが、どれだけ家を長持ちさせるのか、とても重要です!


古民家が長持ちする秘訣:通気がいいから


古民家は、木造・紙・土などの自然素材で建造されています。そのため、木造住宅の一番の弱点である湿気対策には気をつけなければなりません。



湿気から木材が劣化することで、シロアリに浸食されないよう注意が必要です。そのため、古民家は、高床になっており、かつ開口部の面積を広く取るなど、湿気がこもらないような工夫が随所にされています。



雨や湿気が多い日以外は、できるだけ雨戸を開けて、通気をよくしてあげることが長持ちの秘訣となります。ただ、通気が良すぎて、冬はかなり寒いです。


古民家が長持ちする秘訣:防虫対策ができていたから


古民家では、防虫対策のため可能であれば、囲炉裏やかまどを使用することとされています。昔は、食事の準備に使っていたかまどや囲炉裏は、古民家の土間や土間近くに設置されていました。



食事を作ったり、暖気を家中に循環させる役割だけでなく、茅葺の中に潜む虫などへの防虫対策やシロアリ駆除にも貢献していました。



土間は天井板がなく、吹き抜けになっている場合が多く、小屋組みがあらわしになっているので、煙で いぶされたシロアリや害虫の防虫駆除にもなりました。



我が家でも、できれば囲炉裏を使用したいところではありますが、現代生活を送っている私達にとっては大変難しい問題です。今は、雨戸をできるだけ開けて通気をよくするということしかできていません。


古民家が長持ちする秘訣:人が住み続けること


古民家を長持ちさせる一番の対策は、人が住み続けることです。当たり前のように思えますが、これが一番難しい問題です。最近では、子ども達が都会に出て行って しまい、高齢の親だけが古民家に住んでいて、空き家になってしまうことが多くなりました。



高齢の親が亡くなった後、放置していた実家を子どもが改修しようとしても、空き家が長期間に及ぶ場合は、雨漏りや経年劣化により改修不能になってしまう ケースが多いので、とても残念です。



3でも書きましたが、空き家になって通気ができなくなれば、あっという間に古民家は劣化してしまいます。



日本の伝統建築である古民家が失われていくのは、日本の財産の損失だと思います。我が家がどうして200年以上にわたり家が長もちしているのかというと、空き家の時期が一度もないからなのです。先祖代々、誰かが必ず住んできました。今後は、耐震補強をどうするかが大きな課題です。



いかがだったでしょうか?古民家が100年以上経過しても遺っているのは、そこに住む人々の並々ならぬ努力の賜物です。先祖代々そこに住む人々の思いがつまった大切な古民家です。未来永劫遺していけるよう、これからも努力を続けていきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました